last.virgin
◆第1話◆
*****






「………いてぇ…」



目覚めた途端に瞼の奥にズキズキと痛みが走り、軽く目頭を押さえる。



「……うぅ〜…」



完璧な二日酔い。



ここまで酷い二日酔いは久しぶりにだった。



昨夜は浮かれていた。



でなければここまで酷く酒が残るような飲み方は、滅多な事がない限りしない。



俺の勤める会社は大手広告製作会社。

俺はそこの広報部の(Wd)ウェブデザイナー。

社内で最も重要な部所だと言っても過言ではない。



先日デカい仕事がひとつ片付いた。


某化粧品メーカーの夏の新作のルージュの宣伝と広告。



ネット広告、女性誌の広告、ポスター等、俺の手掛けた仕事の評判がよく、また次のシーズンの契約も取れたのだった。



浮かれていた理由はそれ。



同じ部所で1年先輩の田村英明に、経理部の女の子達との合コンに誘われて、このところ仕事が忙しく、あっちの方がご無沙汰だった俺は、久々にたまっていたものを吐き出したくて、それに参加する事にした。



参加したのはいいんだけど、連日の徹夜、残業、それがやっと終わって、暫くは仕事も落ち着くだろうと思われて、完全に気が抜けてしまっていた俺は、久々の旨い酒にあっという間に飲まれてしまった。



正直、どうやって帰って来たんだろう?



英ちゃんが送ってくれたのかな?



ズキズキと傷む頭を押さえて、身体を起こすと…



………何で?…真っ裸?





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