last.virgin
「…………はは」
俺ってサイテーかも…
こんな事って…
しかも殆ど覚えてないし。
相手……誰だ?
経理部の女の子達でそれらしき娘は思い付かない。
彼女らとは何度か飲みに行った事があるし、一晩だけの関係を持った娘も数人居る。
勿論みんなそれぞれに彼氏も居るし、完全に割り切った関係。
他の子達もみんな、それなりの経験を積んでいるはず。
二十代前半でバージン…
今時そんな娘が居るのか?
会社の娘じゃないとしたら、行きずり?
……まさか学生とか?
…うわあ。
ますますサイテー…
もしかしたらまだ部屋に居る?
見知らぬ彼女の痕跡を探そうと、バスルーム、トイレ、キッチン、見て回ったけど、その影すら見当たらず、再び寝室に戻りベッドに腰掛ける。
腕を組んでまた考え込んでいると、視界の隅で何かが光って、それに手を伸ばす。
見てみると小さなピンクサファイア。
ハートの形にカットされたピアスがひとつ。
どうやら見知らぬ彼女の忘れ物らしい。
とりあえずそれをベット脇のテーブルに置き、バスルームへと向かいシャワーを浴びる。