last.virgin
経理部にこんな娘居たっけ?
うちの会社の経理部は秘書部と並ぶ程の粒揃い。
若くて可愛い娘が多い、だから飲みに行く機会も多いんだけど、この遙と呼ばれたこの娘はどちらかと言うと総務部に居そうなタイプ。
眼鏡に黒髪ひっつめひとつ結び。
軽く盛っている里奈とは全然違う。
おまけにチビ。
チラリと足元を見てみるとスニーカーを履いていた。
特定の制服は無いが、みんなそれなりの格好はしている、遙を見てみると、普通のカットソーにジーンズ。
近頃の高校生だってもっとマシな格好してるぞ?とツッ込みたい位だった。
里奈みたいなサービス精神旺盛の格好の方が、余程社会人らしく見えるから不思議だ。
要するに遙と呼ばれるこの娘は一言で言えばダサい。
「あ。遙ちゃんも昨日飲み会に参加してたよね?」
…マジ?
気付かなかった…
「……はい」
「坂口さん、この娘、今年の新入社員の村山遙ちゃん」
「どうも、坂口修二です、新入社員かぁ、て事はまだ一ヶ月足らずって訳ね?だから知らなくて当たり前かぁ…」
「遙ちゃん、短大卒でまだピチピチの二十歳ですよ?羨ましい」
「あはは、二十歳かあ…若いね?あ。ごめん邪魔だね?」
言いながら椅子を引き立ち上がろうとした時に、遙が持っていた紙コップに肘が支えてしまい…
「熱っ!…」
「わっ!すみませんっ!」
「……いや、俺が支えたから…」
「来て下さい!」
遙に腕を引っ張られ、給湯室まで連れて行かれてしまった。