雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
「幸子、」
「……凪さん、」
「ケガしてる。痛くない?」
「大丈夫です。愛理さんの所行ってください…」
「幸子、」
「大丈夫ですから!!」
だから、そんな目で見ないで…。
「すまない、また連絡する」
そうやって、彼は車に乗り込み、神楽愛理の元へと行く。
「ははっ…」
バチが当たったんだ。
あたしがたくさん嘘ついたことに、バチが当たったよきっと。
「もー。なんでなんだろ…」
ほんと、あたし何やってるのかな。
誰にも言えないけど、神楽愛理を助けたのはあたし、なのに。
ありがとう、とか言ってもらいたいわけじゃない。
心配してもらいたいわけでもない。