雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
だけど……
拳をかわしながら、相手の脇腹に蹴りを入れる。
「もう、やめな」
そう言ってあたしの腕を掴んだのは、神楽愛理。
「魔女の分際で、あたしに指図するの?」
「あなた…」
「だれに喧嘩をうってるって思ってんのよ?」
四方八方からの敵意。
さっきまでの盛り上がりとは違う。
直接は見えないけど、凪さんはどんな顔をしているんだろう。
こんな時まで凪さんのことを考えちゃうなんて、相当惚れてたんだな…。
「あなたは何者なの?」
「………………」
「あなたは一体……」
「うるさい。魔女、あんた誰に助けられたと思ってんのよ?」
そう言うと黙ってしまった。