雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
「あ、ここだよ」
「へー。シャレた店だな」
雪兄とバーとか、久しぶりすぎる。
雪兄が狂乱辞めて、半年も経たないうちに、レッドローズの勧誘があったから、なかなか会えなくて。
「こんばんは、」
「おや、今日はあのお嬢じゃないのかい?」
「はい、あの、こちら…」
「我が来栖組のお嬢が迷惑をかけてしまい、申し訳ありません。今日は組長の命によりお詫びにきました」
「ほう、来栖組の人間か、」
「はい、」
「あんた、只者じゃないだろ」
バーテンダーさんが、雪兄を観察したように見る。
さすがというか、なんというか。
「なぜ、そう思われるのですか?」
雪兄、笑った顔してるけど、警戒してる…?