雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
ーーーはい?
「神楽 凪が俺に会いにきたの」
「な、なんで!?」
「知らね、」
「なんか言われたの?」
「んー。サチに会いたいって、」
「なんで?」
「なんでだろうな?」
雪兄はそれ以上は何も言わなかった。
雪兄はいつもそう。
どんなに大事な決断でも、どんなに大切なことであっても、最後の選択は自分で決めさせた。
当たり前のことだろうけど、雪兄は助言すらしないことだってほとんど。
でも、それでも、雪兄が慕われるのは、ずっと味方で居てくれるからだ。
『俺はずっとお前の味方だからな、』
そう言ってくれる雪兄は、本当に味方で居てくれる。
「あ、そういや、久しぶりって思ってたけど、一ヶ月ぶりだよね!?」