雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
勢いで自分が何言ってるのかわかってるのかな?
宣戦布告とかあたし、聞いてないよ。
『誰だ!俺をバカだとか言ったやつ!これは本気だからな!』
バカなんだから、もう喋らないで…。
最初はかっこいいこと言ったのに、最後は崩れちゃって笑いが起こるのが、なんとも春陽らしいこと。
これはあとで雪兄になんか言われるな…。
繁華街を過ぎたら、今度は二手に分かれて走る。
警察の追っ手を交わしながら、予定されているコースを走りきる。
普段では味わえないこの感覚。
あたしは、今日みた景色を、忘れはしないだろう。
雪花狂乱、ここにあり。
そのことを示した、春陽率いる狂乱だった。