雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜




「幸子、寝る前にお風呂はいるのよー」




そう言って、両親の寝室の扉が閉まる音が聞こえる。



もう寝るんだろうな。



風呂に入れと言われても、今のあたしにはそんな気力がない。




電気もつけず、ぼんやりと天井を見ていたら、突然なり出した携帯。



誰かを確認せず、電話に出てしまった。




「もしも、」

『サチ?』

「雪兄?」

『どうした?元気ないな』

「雪兄……」

『寿々のこと話そうかと思ってたんだけど、それどころじゃないみたいだな』

「……………」

『その様子だと、神楽 凪にでも会ったみたいだな』




雪兄は、ほんとするどい。




なにを言わなくても、すぐにわかっちゃう。



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