雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
そんなこと、あっちの総長が許すはずないのに。
「強がってる女を、俺の下で泣かせるのが好きなんだよなあ〜」
「……………」
ピリピリした空気の中、そういうことを言える和巳は大物なんだと思う。
春陽ですら、いつものバカじゃなくて、総長らしくしてるのに。
「和巳、さっちゃん」
「太一、」
「ん?」
「準備はいい」
「「いつでも」」
あたしと和巳の声が重なった瞬間ーー二人で敵陣に乗り込んで行く。
互いにぶつかり合う、拳と拳。
あたしは臨機応変に対応しながらも、前へと進む。
「さっちゃん、こいつらは俺らがっ!」
「頼んだ!」
狂乱のメンツにエンペラーの下っ端は任せて、あたしは進む。