雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
その声に驚いたのはあたしだけじゃなく、龍野にとどめの一発を喰らわそうとしていた春陽や、あちらこちらで殴り合ってる人たち、皆。
この場には似つかわしくない、むしろきちゃダメだろって感じの人。
いつも何かしら騒ぎを持ってくる人。
『これ以上、さっちゃん喧嘩させたら、あたしが許さないからね!!』
拡声器片手に、傍らに強面ヤクザを連れた、正真正銘のお嬢。
「ーー寿々さん…」
なんで、ここに…?
「寿々嬢、なんでいるんだよ!?」
『春陽うるさい、黙って』
「寿々嬢っ!!お前いい加減にっ!!」
『あたしはさっちゃんに用があるの!!』
そういって、寿々さんはこっちに来ようとする。