雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
いつもならお付きの人たちが止めるのに、今日ばかりはなぜか止めない。
弱味でも握られてるのか…。
寿々さんに弱味握られるよりも、組長さんたちに怒られると思うし、寿々さんだって雪兄に怒られるよ…。
なんてことを考えながら、この状況をどうしようかと悩む。
残念ながらあたしはずば抜けて頭がいい訳でもないので、参謀的なことは太一任せ。
春陽と和巳はそもそも、本能で動くような人なので、寿々さんを止める術はない。
かくいう太一も、寿々さんにはお手上げ状態だし。
「はぁ……」
どうして、こうなっちゃうのかなあ……。
「さっちゃん、」
寿々さんはあたしを見つけるなり、男たちを押しのけてやってきた。