雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜




「春陽、お前ももういいだろ」

「雪が言うんなら、それでいいや」

「神楽 凪さんも、異論は?」

「何も得ない喧嘩に、後輩たちを巻き込ませたりはしないさ」

「じゃあーー」





「待て、」





雪兄、春陽、凪さんで話がまとまりかけた時、それに異論を唱える声。



龍野 駿だ。




「俺らはまだっ…」

「こんな状況で、君は救われたという自覚はないのか?」

「まだ負けてねぇよっ…!」



みんな、分かり切ってた。

この状況が変えられないことくらい。



だけど、龍野駿にだって、エンペラーの総長としてのプライドがある。




この状況で終わったら、彼のそのプライドに傷がつく。




誰も、考えなかったわけじゃない。




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