雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
「龍野、お前には守りたいものがあるか?」
「ーーあるに決まってんだろっ、」
「だろうな、」
エンペラーは正統派と言われてるし、その総長である龍野は仲間思いで有名。
ーーでも、
「守りたいものがある。だから弱いんだよ」
狂乱には、暗黙の了解がある。
「仲間を守る。好きな奴を守る。プライドを守る。そんな守る守るばっかり言ってたら、強くなんかならないし、相手に隙を与えるだけだ」
一つ、守りたいものを作らないこと。
「そもそも仲間ってのは守るものなのか?仲間を信じられるんなら、守らなくてもいいだろ。守ってやるってのは、相手が自分より弱いと思ってるからだ。
俺は仲間を守ったりなんてしない。守る必要がないくらいそいつらの実力を勝ってるから」