雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜




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とあるバー。



そこには珍しい客来た。




「おや、一人で来るとは久しぶりだな」

「たまには、な…」

「何だかやつれてる顔してるぞ、凪」

「最近忙しくて、」



凪と呼ばれた青年ーー言わずと知れた日本任侠組合・龍神会、神楽組の若頭である神楽 凪だ。




彼がエンペラーの総長をしていた頃には頻繁に訪れていたこの場所も、今では何かがない限りは遠ざかっていた。




「悩みは、組のこと?」

「…………」

「エンペラーのこと?」

「…………」

「彼女のこと?」

「…………」

「ーーああ、全部か」




お前も大変だな、とつぶやくバーテンダーに、苦笑する凪。




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