雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
エンペラーの現総長である龍野 駿は頼れる総長なのだが、幾分プライドも高い。
あの結果が彼のプライドを傷つけることになったとしても、あの場では止めるしかなかったのだ。
あのまま続けていたら、彼は戦意喪失し、何もかも手につけられない状態になっていただろう。
龍野をはじめ、後輩たちが今どうあるべきか悩んでいることを知っているが、それに手助けするような事はしない。
過去の人間である自分が、今のエンペラーを変えることなどできないのだから。
しかし、兄心とも言うべきか、弱った後輩たちを見過ごしておけないのもまた事実。
エンペラーは縦社会、とても複雑な立場なのだ。
「あっちなら、すぐに手を貸しただろうけどな」