雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
しかし、今回、その恩義に背くようなことをした。
一人の少女がキッカケで。
彼女の存在は、凪には大きすぎた。
父が死んだ後、妹と、父の代わりに組を守ること、そのことでしか生きていられなかった自分。
そんな自分を、組や、地位や、容姿に関係なく、好意を寄せてくれた彼女。
彼女は守りたい、と思う対象ではなくて、
ずっとそばにいたい、そう思わせる存在だった。
だけどその彼女が、まさか自分達とは敵対関係にある組との関わりが強いと知った。
衝撃的だった。
そして彼女は、自分よりも、自分が元いた場所へ戻っていった。
そして彼女の元には、自分よりも年下なのにもかかわらず、芯のしっかりした男がいた。