雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
全てを知ってるわけじゃないけど、寿々さんがいつも好き好んで飲むのは、寿々さんのために特別に作ったって言ってた。
寿々さんのための一品物を、他の人に出すとは思えない。
「…誰か、いたんですか?」
「まあ、お客さんがさっきまでね」
「特別な、ですか?」
「さあ、どうだろう」
さっきまでいたんだ、雪兄が。
そして、雪兄がここに一人で来るとは思えない。
つまり、もう一人いた。
誰がいた…?
だれ…?
「まさか…」
「ちょっ、さっちゃん!?」
すれ違わなかった、って言ってたから、でて行ったのはほんの少し前。
あたし達が来た方向とは反対側。
そんなに遠く行ってないはず!