雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
次に目が覚めた時、昨晩の出来事がなかったかのように、衣服も、シーツも、元通り。
そこに彼の姿はなかった。
でも、確かに温もりだけはあるの。
あたしと、凪さんの交わった温もりが。
「うううっ……」
どうして、こんなに辛いんだろう、悲しいんだろう。
わかってたことなのに。
わかってたことだったのに。
一時間くらい泣いて、この場にいるのが辛くなって、外へ出る。
「あ…」
「おかえり、サチ」
「雪兄……」
雪兄は全てを知ってたんだ…。
「あの、雪兄……」
「ん?」
「ありがとう」
「言っただろ、俺はサチの味方だって、」
「うんっ…」
「みんなが、サチの帰りを待ってるよ」
「うんっ…!」