雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜




ねぇ、雪兄の言葉が本当なら、



信じちゃっていいのかな?




「雪兄、寿々さん…」




二人の顔は、とても笑顔だった。





会場の外を出て、少し歩く。




少し遠かったけど、でも、わかる。




ああ、ずっとあたしが好きな人。





「さちこ…?」



「なぎ、さんっ…」




ああ、ほんとに。



「泣かないで」

「無理ですよっ…」

「抱きしめていい?」

「はいっ…」



この温もりは、ずっと変わらない。




「三年前、花森雪矢は俺に幾つかの条件を出してきた。一つ、俺の代わりとなる神楽組の後継者を見つけること」

「……………」

「候補はいたから、まーすぐに見つかったんだけど」



< 336 / 358 >

この作品をシェア

pagetop