雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
ねぇ、雪兄の言葉が本当なら、
信じちゃっていいのかな?
「雪兄、寿々さん…」
二人の顔は、とても笑顔だった。
会場の外を出て、少し歩く。
少し遠かったけど、でも、わかる。
ああ、ずっとあたしが好きな人。
「さちこ…?」
「なぎ、さんっ…」
ああ、ほんとに。
「泣かないで」
「無理ですよっ…」
「抱きしめていい?」
「はいっ…」
この温もりは、ずっと変わらない。
「三年前、花森雪矢は俺に幾つかの条件を出してきた。一つ、俺の代わりとなる神楽組の後継者を見つけること」
「……………」
「候補はいたから、まーすぐに見つかったんだけど」