雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
異変に気付いたのはあの日から一週間経った頃。
すぐ察しがついたから、それなりに対応したし、見回りの当番で無い日は早めに帰れるようにした。
でも、あたしだって1ヶ月我慢した。
だから限界です。
親が寝静まった後、パーカーを羽織り、身を潜めながら電柱に近づく。
「おい、あんた」
「…き、貴様っ…」
「レディに向かって貴様呼ばわりは気に食わない。だいたい毎日毎日うざいっつーの。あたしを探ったって何も出てきやしない。いい加減諦めろって」
「いつから気づいて……」
「とっくの前にだよ。吐き気がする」
「くそっ…」
くそっ、じゃねーし。
イラついてんのはこっちなんだからよ…。