雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜



「………」

「そやつがわしに直接、言いよった。“貴方の宝は、粗末にはしません”とな。新人小僧がわしにビクともせずに言い切った。そして思う、あの男はこの世界そのものを変えれる力を持っておる。わしなんかの老いぼれと違っての」

「……凪坊はそいつの下につくんですか?」

「いや。凪はこの世界から引き離すそうだ、何年掛かってでも」

「でも、なぜ…」

「わしも何故かと思ったのだが、そいつは簡単に答えてくれたよ」








“何故お主は、敵対しておる輩の世話までするのだ”

“何故?それは俺が大切にしている後輩女の子のことを愛してくれているからですよ”

“それだけーーか?”

“ええ、それだけです”






「なんとも変わった男だ」




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