雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
「でも凪坊が惚れた女とは、どんな強者の女なんでしょうか」
「わしも気になっての。愛理に聞いたら、一度助けてもらった。とても強い奴だと言っててな」
「魔女として恐れられていた愛理お嬢さんよりも?」
「うむ。それで気になっての。見たんじゃよ、その娘を」
確かに強かった。
女だから多少不利はあるものの、それを気にしないほど強く、そして自信に溢れていた。
だけどそれは夜の姿であり、普段は本当に普通の女子高生。
どこにでもいるような、だけど普通を知らない凪にとってはとても新鮮だった。
「わしはこの世界でたくさん汚いものを見てきた。できれば、孫たちにはあまり見せたくないからの…」
汚れていく孫を間近で見るよりも、遠くにいて幸せに暮らしてる孫を想えればいい。