雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
「それで、俺にやってほしいのはそいつらを潰すことですか?」
「…いや、そうじゃない」
昨日の幸子とデートした夜の出来事。
その詳細を久しぶりに店に顔だした、いや、無理やり出させた花森雪矢に伝えている。
ーー昨日の夜、相変わらず繁華街は煩く、そして騒がしかった。
そんな中俺たちが遭遇したのは、本物のヤクザと、暴走族のガキどものいざこざと、それに挟まれる女の子。
さすがにこれは本物の奴らが絡んでる以上、かなりヤバそうな場面で、明らかにその場所だけの雰囲気がおかしかった。
不味いと思って、俺が出て行こうとしたら、
『凪さんはここで待っててください』
そういって、そいつらの中へと、幸子は紛れていった。