雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
「あなたが首を突っ込むようであれば、サチは見張り構わず行きそうですね。それでサチが怪我したとか?」
「いや、幸子は全くの無傷。男相手に、しかも本物のヤクザ相手に一切触られることなく倒した」
あれは、見事だった。
ヤクザと暴走族のガキどもの人数は両手で数えるくらい。
だけど、地面に這いつくばったのは、現役から2年を過ぎた幸子ではなく、そいつらだった。
「さすがに目撃者も多かったから、幸子の素性がバレないように裏で手を回してほしい」
「りょーかいです」
サチのこと、街のことを頼めるのは、もうこいつしかいない。
「それより、現役2年過ぎててもあんなに動けるやつは初めてみた」
「サチですか?」
「あぁ…」