雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
ここで断ったりしたら、あたしの命が危ないっつーの。
ここレッドローズではあたしはまだ入って数ヶ月の新人同然なんだから、“センパイ”達の言うことに従わないと。
あたしはたぶん、ここではかなり性格を作り込んでると思う。
周りと同じようにミーハーになったり、一緒に罵倒しあったり。
ここにきて、ほんと、初めてのことばかり。
「トイレ行ったみたい」
「幸子、行くわよ」
「あ、はい!」
“センパイ”達に連れられてトイレに向かう。
実をいうとエンペラーの倉庫に来たのは初めてなのである。
「ねぇ、ちょっと」
「何?」
センパイが話しかけると、口を開いた神楽愛理。
さすがというべきかなんというか。