雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
美朱さんには少なからずお世話になったしね。
なーんて、思いながら、誰にも気づかれないように倉庫を出る。
「さて、」
闇雲に繁華街を歩き回るのは体力の消耗が激しい。
だからといって行く当てもない。
至る所にエンペラーの奴らはいるけど、誰も鬼神のしっぽを掴めてないみたいだ。
「…もしもし?」
『幸子!あんた今、どこにいるのよ!?』
「えっと…街?」
『はぁ!?あんた危険よ!さっさと戻ってきなさい!!』
センパイからの電話。
ごめんなさい、戻る気はありません。
そのあと、美朱さんからも電話きたけど、無視。
こればかりは単独行動しないといけない。