雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜
だいたい、神楽愛理が匿われてるだろう場所の候補はある。
だけどそれを一々回ってる時間はないし、まず足がない。
バイクを取りに行くにも、電車に乗る必要があるし。
神楽愛理が絡んでくるってことは、神楽組も動くよね…。
神楽組の面々にはあたしの顔が割れてる可能性がある。
とりあえず、誰も来そうにない場所で身を潜める。
すると、スマホには2件のメール。
一件目は美朱さんから。
二件目は……凪さん。
どっちのメールも、見ずに削除した。
戻って来いってメールに決まってる。
「ふぅ、」
もうすぐ一時間が経つ。
すでに辺りは真っ暗。