cloud×cloud【完】
遠くに黄昏を背にたくさんの人たちのシルエットが見えた。
近づくにつれその人たちが明確になる。
近藤さんに永倉さん、尾形さん武田さん…
その後ろには大蛇の列。
「みんな、ただいま。」
近藤さんは相変わらずな優しい人懐っこい笑顔で言った。
「おかえりなさい!!」
みんなが帰ってきたことがうれしくて、うれしくて私はつい大声で叫んでしまった。
あれ?
私は次々と屯所に帰ってくる人の中、
一人帰ってきていないことに気がついた。
見逃してしまったのかと思い、
もう一度、一人一人見返すが、やっぱり一人いない。
平助がいない…