cloud×cloud【完】
「山南さん…」
私は雪の中をサクサクと歩き山南さんのそばへと寄った。
「どこかお出かけするんですか?」
山南さんはただ首を横に振って、
「雪が見たかっただけです」と言った。
「雪、綺麗ですね」
「悲しくなってしまうほど…」
そう言った山南さんの顔が哀しげに見えたのは気のせいだろうか?
「雪は儚すぎます…この世界に存在できるのたった一瞬。
存在する意味すらわからない。」
山南さんは「まるで私みたいですね」と話を続けた。