cloud×cloud【完】
雪は…かわいそう。
だって温もりを知らぬ間に消えてしまうんだもの。
存在の意味すらわからずに溶けてしまうんだもの。
山南さんの言った言葉が寂しすぎて胸が締め付けられる。
だけど…
「存在するのに意味なんてなくてもいいんです。」
前に沖田さんが私に言った言葉。
「ただ…自分を貫けばいいんです!!」
自分がこんな台詞を言う立場になるなんて
思っても見なかった。
「自分を貫く…ですか…」
山南さんは私の言った言葉を虚ろに繰り返した。