cloud×cloud【完】
「…明里さん。」
「えっと、この前会った…見垣さん?」
明里さんは何も知らない。
「私に何のご用で?」
優しく微笑む明里さん。
もし事実を知ってしまったら、
この美しい顔が悲しみに歪んでしまうのだろうか?
涙でぐちゃぐちゃになるのだろうか?
そう思うとなかなか口が上手いこと開けなかった。
「見垣さん?どうかなさいました?」
だけど明里さんには最後の山南さんに会ってほしい。
私はただその一心で…
「今夜、山南さんが切腹します」