cloud×cloud【完】



「…明里さん。」



「えっと、この前会った…見垣さん?」




明里さんは何も知らない。


「私に何のご用で?」


優しく微笑む明里さん。



もし事実を知ってしまったら、

この美しい顔が悲しみに歪んでしまうのだろうか?




涙でぐちゃぐちゃになるのだろうか?




そう思うとなかなか口が上手いこと開けなかった。



「見垣さん?どうかなさいました?」






だけど明里さんには最後の山南さんに会ってほしい。



私はただその一心で…














「今夜、山南さんが切腹します」













< 229 / 478 >

この作品をシェア

pagetop