cloud×cloud【完】



さっきまで出ていたお日様が姿を隠し始めた。



「曇ってきたな…」



自分の心を天に読みとられた気がして嫌になった。




こんな時こそ太陽に姿を見せてもらいたいものだ。



そう、こんな憂鬱な時こそ…





僕は山南さんの切腹の介錯を任じられている。


僕は大事な人の命を奪ってしまうのだ。



僕自身の手で…


これほど憂鬱な時はきっとないだろう。




「雨降りそう…」



空は僕の気持ちに比例してか否や

どんどんと灰色が濃くなる。




天も泣いているのだろうか?


山南さんの死を―…。














< 231 / 478 >

この作品をシェア

pagetop