cloud×cloud【完】
さっきまで出ていたお日様が姿を隠し始めた。
「曇ってきたな…」
自分の心を天に読みとられた気がして嫌になった。
こんな時こそ太陽に姿を見せてもらいたいものだ。
そう、こんな憂鬱な時こそ…
僕は山南さんの切腹の介錯を任じられている。
僕は大事な人の命を奪ってしまうのだ。
僕自身の手で…
これほど憂鬱な時はきっとないだろう。
「雨降りそう…」
空は僕の気持ちに比例してか否や
どんどんと灰色が濃くなる。
天も泣いているのだろうか?
山南さんの死を―…。