cloud×cloud【完】
夏はとっくに過ぎて季節は肌寒い秋を迎えた。
「土方さん、お茶入れてきましたよ~。」
そう言って桜が部屋に入ってきた。
「おう、助かる。」
「まーだ終わらないんですか?仕事。」
「あったりめえだ」と一言返して、俺は注がれて来た茶をズズッとすすった。
「休むことも大切ですよ。」
心配してくれることはありがたいと思うが、そうは言っても…だな。
近藤さんは今、長州へ訊問のためにここにはいない。
そのために局長の仕事も俺のほうに回ってくる。
目の前には書類の山。
これじゃぁ休もうにも休めねえだろうがよ…。
俺ははぁっと深いため息をついた。