cloud×cloud【完】



謝らなくちゃ



平助に謝らないと…



そう思って私は平助の部屋の前まで来ていた。



平助はこの襖一枚の向こうにいる。


だけど私にはこの襖を開ける勇気がでない



私は弱い。





「桜?」




すると私の後ろから平助の声が聞こえた。


「どうかした…?

俺の部屋の前で突っ立って…」



どことなく遠慮気味で平助は言った。



「う…うん。あやま…りたく…て…」



最後の方はごにょごにょと自信なさげに呟いた。














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