cloud×cloud【完】
知っていた、この世界が残忍であることなんて。
わかっていた、この時代は殺すことに躊躇ないことなんて。
「助かってよかったのう。」
銃を持つ男が言った。
もっと他にやり方があったと思う。
「どうして殺してしまったんです?」
私がそう言うと銃の男はキョトンとした顔を私に向けた。
「殺られる前に殺る、何を疑問に思うんじゃ?」
「なんでって…人を殺しちゃいけないのは常識…」
あっ…
私は自分が言っていることが変だと言うことに気づいた。
ここは『平成』じゃない。
そして男は笑ってこう言った。
「あっはははっ!!人を殺しちゃいかんって誰が決めたんじゃ?」