cloud×cloud【完】



そこには血に染まった右腕があった。




そう言えば、避けた時にかすっちゃったんだっけ。




右腕は思い出したかのようにじんじんと痛み出した。




それほど傷は深くないものの、この微妙なかすり具合が妙に痛い。




「それ…やられたのか?」




「やられたって言うか…まぁ、はい。」




私がそう答えると、間も入れずに「誰に?」と聞いてきた。





…うーん。



誰に?って言われても…。



名も知らない人なのだから答えようがない。





「わからないです。」




私はそう答えるしかなかった。














< 335 / 478 >

この作品をシェア

pagetop