cloud×cloud【完】
誰かが新撰組を抜ける?
そんなのあるわけない
私はふるふると首を横に振った。
すると伊東さんはますます近づいてきた。
「私があなたをこんなに愛してると言うのに?」
私は耳を疑った。
え?
今、何て言ったの?
あまりに突然で何がなんだかわからなかった。
伊東さんはサラリと私の髪に触れる。
「こちらに来たら、こんな男の姿なんてさせません」
ドキリ、と心臓が跳ねる。
告白なんて今までされたことがないからどうすればいいのかわからない
「こんなにも美しいのですから」
伊東さんが耳元で囁く、その言葉はいつもとは違って真剣そのものだった。
心臓が鳴り止まない。
この心臓の高鳴りが心を惑わし、錯覚させる
もしかすると伊東さんが好きなのではないかと。