cloud×cloud【完】
「何してるんですか?」
伊東さんの後ろに目をやる。
いつの間にか開かれた障子。
そこには月明かりに照らされた彼がいた。
月を背にしているから、暗くてはっきりと誰かは認識するのは難しい。
だけど私はすぐにわかった。
あの人だと
「何の話をしていたの?」
この独特な声
そう…
「なんですか、沖田くん?盗み聞きなんて趣味が悪いですね」
伊東さんは沖田さんを今までにないほどの形相で睨みつけた。
伊東さんは言っては失礼だが、
もともと目つきが悪いほうだと思うからより迫力が増す。