cloud×cloud【完】



沖田さんが突然強張った顔で口を抑えた。


「げほっ…ごほごほっ、」




その場に苦しそうに座り込んだ沖田さんに駆け寄る。



「…っげほっ」




パタタッと血が飛び散る。


私の白い着物のパジャマに赤が染みる。




そっと沖田さんの背中をさすっていた時、

突如と私の身体が平衡感覚を失い、後ろにドスンと尻餅をついた。




何が起きたのか、一瞬理解できなかったが、それはすぐにわかった。





「…沖田…さん?」



そう、沖田さんが私を突き押したのだ。





「ダメだよ。」



口についた血を擦って言った。




「服…汚れちゃうでしょ」



嘘だ。




そんなの、嘘だ。



沖田さんが何を気にしているのか想像はつく。











< 399 / 478 >

この作品をシェア

pagetop