cloud×cloud【完】
私たちはいつも皆で食事をとる大広間に呼び出された。
何やらすごく大切な話があるだとか。
いつもは賑やかで騒がしい場なのだが、今はそれがひとかけらも感じられない。
近藤さんが「コホン」とわざとらしく咳き込んだ。
待ってました、と言わんばかりに伊東さんが前へと進み出た。
「私から皆様に大切なお話があるのです」
私はそれが何なのかすぐにピンときた。
そう、きっとあの話。
「私たちはこの度、新撰組を抜けることとなりました。そして御陵衛士と言う名の新しい組織を設立します。」
ほら、やっぱり。
「皆様にはその挨拶のために集まってもらいました。」
ふふと不適の笑み。
「今ならまだ御陵衛士に歓迎しますよ」
皆に言っているのだろうけど、明らかにその瞳は私を捕らえている。