cloud×cloud【完】
大広間を出ると、私はすぐに平助と斎藤さんのもとに向かった。
「平助!!斎藤さん!!」
私の叫び声に2人は足を止めた。
「桜…」
小さくぼそりと呟く斎藤さんに、分の悪そうな平助。
「ちょっと聞きたいこと、あるんだけど」
平助は私の言葉にコクリと頷いた。
「俺も話したいと思ってた」
話したいこと…
最後のお別れの言葉だろうか?
何か溢れてきそうなのをぐっとこらえて自分の中に押し込む。
「俺はまだ準備を終えていないから、後にしてくれ」
斎藤さんはそう言うとすぐに身を翻して、この場を去っていった。