cloud×cloud【完】
病気がどれだけ進行しているかも、
自分の命があとどれくらいなのかも、
おおよその予想はついている。
「一応は、自分の身体ですからね」
こんな身体、望んでなどいないけれど。
こんな弱い身体なんて。
僕はスッと立ち上がって、先生に背を向ける。
「なら、わかっていると思うが…」
その続きはバンッと僕が拳を壁に叩きつけた音によって消された。
障子の手前で控えていた椿さんが肩をビクリとあげたのが見えた。
「わかってますよ。それじゃあ、失礼しました」
椿さんを横目に見ながら僕は部屋を出た。