cloud×cloud【完】
「…。」
私は目の前の桶と向き合い、とうとう覚悟を決めた。
「よし!!」
思いきってその桶に張られた水の中に手を突っ込んだ。
パシャンと弾けるような音とともに手の全体に凍てつくような冷たさが広がる。
「寒っい~」
その中にある布を引っ張って、桶の右側においておいた石鹸でこすり合わせる。
よりによってこんな寒い日に洗濯当番があたるだなんてほんとツイてない。
「よっ」と言う声と一緒に私の目の前にスッと影が現れた。
私は反射的にふと上を見上げた。
「左之さん…」
「よっ!!寒いのにごくろーさん」