cloud×cloud【完】




土方さんが低い声で小さく呟いた。








「…伊東甲子太郎」




伊東…さんが…?





「な、んで…そんなことを?」



伊東さんはあまり好きではない


怖い思いもしたし、ヒドいこともされた




だけど、あの人だって…


きっと自分なりの考えがあって、


志があって…





するとどこからか「副長」と言う聞き慣れた優しい声が聞こえた。





この声って…





「おい、お前…斎藤か!?」





私が声にするよりも早く永倉さんが言葉にした。



沖田さんも左之さんもみんな目を見開いてぽかんと口を開けている。






どうやらこんなことになることを思ってもみなかったらしい



私もその内のひとりなのだけれど






これはきっと唯一動揺していない土方さんしか知らないことなのだろう












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