cloud×cloud【完】
「近藤さん、私は?」
「もちろん、君も」
近藤さんはそういってはにかんだ。
「はい!!」
「近藤さん、僕は?」
沖田さんの問いを聞いて近藤さんは少し苦い顔をする。
「総司は休んで起きなさい」
ああ、とまたも思い出す。
沖田さんは結核だった、と。
あれ以来は吐血や喀血するほどの咳は目にしていないが、病気は進行しているにちがいない。
沖田さんは口を尖らせ、ちぇと言った。
「ま、近藤さんがそう言うなら休ませてもらいます」
沖田さんはつまらなさそうにしながら部屋の障子へと向かう。
「あ。」
何かを思い出したのか、突然こちらを振り返った。
「僕、新撰組のためなら死ねますから」