cloud×cloud【完】
瞬く間に路地から新撰組がでてきて伊東さんを取り囲む。
もちろん、私も。
「な、あなた達はっ……新撰組!?」
明らかに慌てふためく伊東さん。
本当に何もしらなかったんだな、と実感する。
「お命、頂戴する」
左之さんは隣でそう唸るように唱えた。
シュ、と掠れた音を鳴らしながら皆が一斉に刀を抜く。
決意を決めたのか、伊東さんも刀を静かに鞘を抜いた。
「……冷静だな。理由はわかってるみたいですね」
左之さんは自分に坂本龍馬暗殺の罪をなすりつけられたのが相当腹がたっているのかかなり冷たい眼差しを向けている。
思わず私もゾクリとそのオーラに圧倒された。