cloud×cloud【完】




それは一瞬だった。

たった一時の瞬間で。




予想通り伊東さんは私へと刀を大きく振りかぶって、勿論、私も刀を振り下げた。


ただただ無心になって、振り切った。





それと同時に目の前を覆う赤。



あの日の出来事が思い出されてゾクリと全身に何かが走り粟立つ。






刀はカランと頼りない小さな音を立てて地へと落ちた。




伊東さんの、刀、が。











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