cloud×cloud【完】
何も変わってなどいなかった。
だから私はすぐに見つけることが出来た。
刃を振るうその太刀も、あの頃と変わらずがむしゃらだけど決して基礎は疎かではなくて、相変わらず強くて。
戦うその姿は…存在そのものがあの時のままだったから、この赤の世界ですぐに見つけることができた。
「平助!!」
刀が交える音が響く中、奮い立たせるための叫び声の中、私は叫んだ。
目一杯、
精一杯、
思い切りに。