cloud×cloud【完】
赤の世界
私は平助を引っ張って、皆が気づかないうちにと、ひたすら駆けた。
「おい、お前!!」
ドキリ、と心臓が跳ねたのがわかった。
ゆっくりと振り返ると、そこには新撰組の隊士が。
…確か、三浦さんだ。
「お前、何をしている?」
見つかった、逃がそうとしているのが、バレタ。
さっと血の気が引いてゆき、頭の中が真っ白になる。
頭を回転させようと、何か打開策はないのかと必死に動かそうとするのだが、何も考えられない。